人は一生気づき学び続けるもの

私には同居する愛する祖母が居ます。
その祖母が最近病院で検査を受けることになりました。
昔の古傷からの後遺症で足を悪くしたり、神経痛など既に辛いことを抱えてはいるのですが、今回は深刻でした。
それというのも、ある朝、病院にいつものように薬をもらいに行くと言っていたのに出掛けておらず、自室にて横になっている・・・。これには娘の母が直ぐに異変に気づき問うたところ、頭が痛いということと、左半身に痺れがあるということ。また、髪の毛に手を持っていこうとしても違う方向にスルリとすり抜けてしまうということだったのです。
これは「脳」だな?!と察知し病院にてMRIで検査を受けた結果「TIA」という脳梗塞の一歩手前(予備軍ですね)という診断が出たのです。しかも、手術の術はあるけれども高齢の祖母には手術に持ちこたえられるほどの体力の方が命に関わる・・ということで手術を薦めることができない状態で、お薬で血液の流れを良くしたりという方法を取ることになったのです。

この後、祖母に変化が起きました。祖母は私と母の前で今までには聞いたことも無いような心の内の変化を語ったのです。
それは、今まで死ぬことがとても怖かった。そして、そう言いながら未来に希望も無く年老いていくならいつ死んでもいいとすら思っていた。でも今は違う。病気がわかって脳梗塞にいつなってもおかしくない爆弾を抱えているものの人生の目標ができたというのです。その目標は、一年生きても、もっと生きても、明日死んでも悔いのない人生を歩んでいこうという気持ちが湧きあがってきたというのです。そして死を怖いものではなく、いかにしあわせな気持ちであの世に召されるか・・という気持ちに変化してこの一瞬がしあわせで感謝で愛おしいというのです。
そして、やたらと掃除や身の回りの整理をし出しました。
祖母のその語りには偽りの顔がなく、病気を言い渡されたのに関わらずあまりにも生き生きとして柔らかく、私は感動して涙が出そうになりました。
こんなに美しい祖母を見たのは初めてかもしれません。
左半身の動きが鈍くなったときに、意識の部分で趣味の俳句を作ることができるか試したそうです。そんな頑張り屋な祖母です。
祖母は、何と言っても「我慢」というフレーズがピッタリなほど我慢強い人で、いつも無理をしないように・・わがままぐらいでいいんだよ・・思ったことは言ってね・・と伝え続けてきましたが、やはり自分で気づくパワーは底知れないのですね。
彼女自身が気づいた大切なもの。それはきっと彼女にしか正確にはわからない。でもそこを理解しようとする孫でありたいと思うのです。
ここ最近の祖母は一皮剥けた、それこそ気づいた人がその行動を起こす鏡のような存在で私の目に眩しく、そして頼もしく映っています。

大切な祖母が今決めた「しあわせな気持ちで天へ召される」というビジョンを私もサポートしながら少しでも一緒に生きていきたいと願わずにはいられません。

おばあちゃん、素晴らしい生き字引を見せていただいています。
ありがとう。
人は、一生気づき学んで成長していくものだと改めて教えてくれて本当に感謝しています!