そして長崎へ〜2.つかの間の楽園〜

mayumi-angel2010-03-14

ずっと楽しみにしていた長崎旅行へ行って参りました。
何かと話題のハウステンボス長崎市内を満喫しようという二泊三日の計画です。私は長崎へは中学校の修学旅行以来、旅のお供の節子さんは初めての土地。ガーデニングが趣味の節子さんはそれは花が大好きで「チューリップの頃のハウステンボスに行きたい!」と随分前から言っていたように思います。それがやっと叶い、とうとう実現の日が来たのです。
二人とも行きの飛行機からハイテンションです。今回は父は出張でお仕事、祖母はお留守番、愛犬タイガーはペットホテルへ預け母と娘の二人旅です。
お昼過ぎにハウステンボスへ着き、チューリップの花、花、花と美しい景色に心が躍り、軽快に園内を歩き回る二人。目の前に広がるオランダの風景はまるで外国にいるかのよう。園内のチーズ店のチーズが美味しいこと!
噂ではかなり広いので歩くのが困難だということでしたが、ウォーキングが日課の私たちには申し分ないトレーニングコースになりました。
少し残念なのが、園内にあるアトラクションやお店の閉館・閉店時間がけっこう早くて、慌てて周っていました。時間切れということで回りきれなかった園内は明日の午前中に堪能すると決めて、いよいよお楽しみのホテルへチェックイン。園内にあるホテルは中庭も美しく、お部屋も広くてヨーロッパ風で居心地が良く、それはゆったりとした癒しの時間を過ごしたのでした。
明日は更に園内と次なるお楽しみの長崎市内へ!見たいものや食べたいものや買いたいお土産がたくさんあるのでワクワクしながらその夜はぐっすり休んだのでした。
そして、次の日朝早めに起床して朝食のビュッフェをもりもり食べて、窓に広がるヨーロッパの風景と美しい花時計を眺めながらコーヒーを飲み、部屋に戻ってみると携帯電話に着信のお知らせランプが点灯しているではないか。
着信の相手はペットホテルからであった。朝早くからどうしたのだろう?他の犬とけんかでもして噛まれたのか?病気にでもなったのか?寂しくてご飯でも食べないのか?などいろいろ考えながらこちらから電話をすると、電話に出た受付の女性が責任者より折り返しますので・・という言葉。
「え〜っ?!なに?!」なんだかかなり嫌な予感がしてきたじゃないか。そして直ぐに責任者より電話が来て言った言葉に愕然!「あの・・あの・・タイガーが居なくなってしまったんです・・・」という意味がわからない台詞。そして、最悪ではないか!!!
いつからか、どんな場面だったのか聞いていくと、前日の夜8時頃から最後のトイレに敷地内のフリースペース(屋外)に出し、10分ほど目を離していて戻ってくるとタイガーが居なかったというではないか!フリースペースの柵の高さは160センチぐらいあるし登るのは有り得ない。どこかに隙間でもあったのか聞くと通れるとは思えないらしい。じゃあ誰かにさらわれたのか?と思うしかないほどまるで神隠しみたいだ。
どうやら、ペットホテルの方々は徹夜でタイガーを捜索してくれたらしい。警察や動物愛護センターへの連絡もしてくれてはいる。しかし、こちらはもう気分がどん底・・・。近くで私の電話の声の変化や漏れる声を聞いて事情がわかった母は軽くめまいが起きたようでソファでショック状態になっている。
現在朝の9時前、本来なら帰るのは翌日の夕方の飛行機。そして、父は東京出張で帰宅は今日の夜遅く、足の悪い祖母に捜索は不可能。一瞬にして天国から地獄へ急転直下した私たちは電話を切って即、ツアーデスクへ連絡を取り、ツアーを中断し新たに飛行機を手配してもらい、遠い飛行場へ行くのにバスの時間も迫り、慌ててホテルをチェックアウトして、美しいオランダの町並みと花々の間を駆け足で通り抜け長崎空港へと向かったのでした。
今の二人の思いは一つ、「お願いだからタイガー生きててください!!」
よりによって最愛の宝物が居なくなってしまうなんて・・・。まるで自分の一部がえぐり取られたみたいだ。あの夢みたいじゃないか。
〜続く〜